不明瞭会計・どんぶり勘定が恒常化している
なぜDX化により不明瞭会計・どんぶり勘定が改善できるのか、中小建設業のDX専門会社のアドバイスをまとめました。
父から継いだ会社ですが、工事の請負も外部への発注もどんぶり勘定が当たり前になりすぎていて、どても困っています。さらに担当者ごとにバラバラのルールで見積書を出しており、請求書のチェックが甘いので支払漏れや請求漏れがあるかもしれない…。資金繰りができておらず、何かあったときにどうなってしまうか、心配です。
なぜ問題が起きる？その原因を考える
どんぶり勘定という建設業に広がる古くからある体質がいろいろな悪影響を及ぼしています。今はなんとかなっていても資金繰りができておらず、将来に不安を感じる会社も多いようです。
建設業界に古くから広がっているどんぶり勘定体質
入金に時間がかかり支払が遅いという業界特有のキャッシュフローによって、建設業全体で正確性よりもスピードを重視し、お金のやり取りがルーズになっています。
古くからある体質のようなもので今さら変えることは難しいようです。どんぶり勘定をしていると収支が曖昧になり、支払いに無駄が発生するなど資金をムダにしてしまいます。
請求書などのチェックが甘く二重払いが発生
建設業でどんぶり勘定の企業が多いということは取引先の企業もいい加減な可能性があると考えられます。発行した請求書のチェックがお互い甘く、二重に請求を行い、それに気づかず支払続けていたというようなことが起きています。
工事代金を分割して振り込む回数を間違えて多く振り込んだということもあるようです。
手間のかかるお金の管理がいい加減になっている
建設業では仕事は増えているのに利益が出ているのかわからないという会社があります。多くの現場を抱えており工事期間が長いなどお金の管理が難しく手間がかかるので、きちんと行えていないようです。
お金の管理を適当にしているとお金に関したトラブルが発生した時に解決できず、将来融資が受けられないといった事態にもなりかねません。
なぜDX化により、不明瞭会計・どんぶり勘定の恒常化は改善できる？
プロフェッショナル
小松延顕氏からのアドバイス
支払い状況を把握できるように
不明瞭会計・どんぶり勘定の恒常化は建設業界全体の問題点です。現場ごとの原価・利益計算ができないまま仕事を受けてしまう、自転車操業的な支払い状況に陥っている、そもそも支払いのタイミングが把握しきれていないといったことが原因となっています。どんぶり勘定をした結果、原価計算が適当になり仕事はたくさんあるにもかかわらず、最終的に赤字へと陥っている会社も少なくありません。
現場単位、部署単位、担当者単位ではなく会社全体の収支を、どのタイミングでどんな費用が発生しているのか把握し、長期的な展望が理解できる状態にしておくために、すべての状況を一括でまとめられるシステム導入によるDX化が急務となります。
不明瞭会計・どんぶり勘定の恒常化は建設業界全体の問題点です。現場ごとの原価・利益計算ができないまま仕事を受けてしまう、自転車操業的な支払い状況に陥っている、そもそも支払いのタイミングが把握しきれていないといったことが原因となっています。どんぶり勘定をした結果、原価計算が適当になり仕事はたくさんあるにもかかわらず、最終的に赤字へと陥っている会社も少なくありません。
現場単位、部署単位、担当者単位ではなく会社全体の収支を、どのタイミングでどんな費用が発生しているのか把握し、長期的な展望が理解できる状態にしておくために、すべての状況を一括でまとめられるシステム導入によるDX化が急務となります。
現場ごとに原価を計画して実績と比較しながら管理することで、より正確な収支の把握ができ、ムダなコストを削減して利益を確保できます。建設業ならではの複雑さもDX化してデジタルの力を借りれば大幅な手間の削減が可能です。
ひとつずつ手順を踏んでムダを無くし効率化すれば、デジタルツールを用いて簡単に原価管理ができるようになります。現場ごとの収支や見込みがタイムリーに把握でき、徹底した原価管理を行うことで赤字体質からの脱却も目指せるでしょう。
担当者ごとにバラバラの内容で見積を出している会社が多いようです。利益を確保するには見積作成のルールを決めて実行する必要があります。
経営判断や発注者との関係でイレギュラーが発生したとしても明確な基準を決めておけば利益を確保した金額調整が可能です。システムを導入すると案件など会社全体のデータを集約できます。過去や現在進行中、見込といったすべての案件を管理できるので簡単に費用や利益を把握でき、適正価格の見積が作れます。
過去や現在進行中、見込の案件データを一元化してシステムで集約することで現場やチームごとの収支や利益の把握が簡単にできるようになります。現場ごとの経費も、いつどこにどれだけ支払うのか支払一覧による確認が可能です。
各現場で入力された情報はリアルタイムで反映されるので現場ごとの収支や利益を素早く把握できます。年間売上や顧客別の売上比率などをグラフ化して瞬時に把握できるので、傾向と対策も立てやすくなるでしょう。
DX化をしたおかげで、「すべてを統合して管理する」という思想が生まれたのが大きいと思います。ひとつひとつの費用・利益を把握できるだけでなく、どのようなバンスで成り立っているのかを可視化できたおかげで、将来的な展望も見えてくるまでになっています。
